伝統と科学が融合する鍼療法（Acupuncture）　～統合医療紹介①～

はじめに

２０２４年７月８日のブログにて、厚生労働省の統合医療サイトより、統合医療に含まれる以下の２０の治療法をご紹介しました。

①鍼治療（Acupuncture）　②抗酸化物質（Antioxidants）③アーユルヴェーダ医学（Ayurvedic Medicine）④カイロプラクティック（Chiropractic）⑤ホメオパシー（Homeopathy）⑥マッサージ療法（Massage Therapy）⑦瞑想（Meditation）⑧自然療法（Naturopathy）⑨経口プロバイオティクス（Oral Probiotics）⑩太極拳（Tai Chi）⑪ヨガ（Yoga）⑫脊椎マニピュレーション（Spinal Manipulation）⑬レイキ（霊気）（Reiki）⑭リラクゼーション法（Relaxation Techniques）⑮アロマセラピー（Aromatherapy）⑯催眠療法（Hypnosis）⑰気功（Qigong）⑱心身療法（Mind and Body Practices）⑲リフレクソロジー（Reflexology）⑳中国伝統医学（Traditional Chinese Medicine）

これらの治療法は、現代医学と組み合わせて使用され、患者の全体的な健康と福祉をサポートすることを目的としています。

今回は①鍼治療（Acupuncture）についてご紹介します。

鍼治療（Acupuncture）の基本概念

鍼治療は、中国伝統医学の一部として発展してきた治療法で、細い針を特定のツボ（経穴）に刺すことで、体のエネルギーフロー（気）を調整し、健康を促進するものです。ツボは、身体のエネルギーが集中するポイントであり、経絡と呼ばれるエネルギーの通り道に沿っています。鍼治療は、これらのツボに刺激を与えることで、気の流れを整え、身体の自然治癒力を高めることを目的としています。

鍼治療の効果

鍼治療は、様々な健康問題に対して効果があるとされています。以下は、鍼治療が有効とされる主な症状や疾患です。

疼痛管理・・・慢性的な痛み（腰痛、肩こり、関節痛など）や急性の痛み（捻挫、筋肉痛など）の軽減に効果的です。針が刺さることで、エンドルフィンという体内の自然な痛み緩和物質が放出され、痛みが和らぎます。
ストレスと精神的健康・・・ストレス、不安、うつ病などの精神的健康問題の改善に役立ちます。鍼刺激によって自律神経系が調整され、リラクゼーション効果が得られるため、精神的な安定が促進されます。
消化器系の不調・・・消化不良、便秘、過敏性腸症候群などの消化器系の問題にも有効です。ツボの刺激により、消化器系の機能が改善されるとされています。
ホルモンバランス・・・生理不順、更年期障害、不妊症など、ホルモンバランスに関わる問題に対しても効果的です。特定のツボを刺激することで、内分泌系が調整され、ホルモンバランスが整います。

鍼治療の適用範囲

上記の症状以外にも多くの健康問題に対して適用されています。例えば、アレルギー、偏頭痛、関節炎、神経痛、免疫機能の強化、睡眠障害など、幅広い分野で利用されています。また、スポーツ選手がケガの予防やリハビリの一環として鍼治療を取り入れることも増えています。

鍼治療の実際のプロセス

鍼治療は、訓練を受けた鍼灸師によって行われます。以下は、一般的な鍼治療の流れです：

規定の時間が経過したら、鍼を慎重に取り外します。多くの場合、鍼治療後にはリラクゼーション効果を感じることができます。

初診と問診：まず、患者の症状や健康状態について詳しく問診を行います。これにより、適切な治療計画が立てられます。

治療計画の立案：問診結果に基づき、どのツボに鍼を刺すかを決定します。

鍼治療の実施：患者がリラックスできる姿勢で横たわり、選定されたツボに細い鍼を刺します。鍼数分刺さったままにし、その間に鍼灸師が鍼を軽く動かすこともあります。

鍼の取り外し：規定の時間が経過したら、鍼を慎重に取り外します。多くの場合、鍼治療後にはリラクゼーション効果を感じることができます。