先月、BTSのSUGA(本名:ミン・ユンギ)が、韓国・ソウルの名門セブランス病院と協力し、自閉症スペクトラム障がい(ASD)を持つ子どもたちのための専門治療センター「Min Yoongi Treatment Center」を設立するために、5億ウォン(約360万ドル)を寄付したことが大きな話題になりました chosun.com+13allkpop.com+13soompi.com+13。
なぜSUGAはこのプロジェクトに注力したのか?
昨年11月、SUGAはセブランス病院のチョン・グンア教授(児童・思春期精神科)と出会い、ASD支援の現状や直面している課題について話し合う中で、「短期的かつ断片的な支援に終始する現状に限界がある」との認識を共有しました。それを受けて“SUGAの名を冠した中⻑期ケアの拠点が必要だ”という思いが寄付へつながったといいます 。
音楽で社会性を育む「MINDプログラム」
SUGAとチョン教授は共同で“MIND”という音楽療育プログラムも開発しました。MINDはそれぞれ頭文字をとったもので、以下の4つの柱から成り立っています x.com+10allkpop.com+10kfriday.net+10:
- Music:楽器演奏や歌唱、音楽体験を通じて感覚と感情に触れる
- Interaction:音楽によって対話や協調を育む
- Network:仲間との集団活動を通じて社会的つながりを強化
- Diversity:一人ひとりの個性を尊重し、多様性を理解
今年3〜6月には、SUGA自身も週末に病院へ通い、ギター演奏や歌、子どもたちとのセッションなどに積極的に関わりました 。非言語が多かった子どもたちが音楽を通じて笑顔を見せ始めたという体験は、参加者全員にとって深い感動をもたらしました。
ファンも動いた!支援がSNSを駆け抜けた
SUGA本人の寄付発表後、BTSファン(ARMY)は韓国国内だけでなく世界中で寄付を呼びかけ、わずか数時間で約2億ウォン(約145,000ドル)以上が追加で集まるという熱心さを見せました allkpop.com+4indianexpress.com+4timesofindia.indiatimes.com+4。こうしたファンの連携力にも、世界中が注目しています。
なぜ今、このような取り組みが求められるのか?
日本でも、「ASDの理解・支援」に関する取り組みは着実に進んでいますが、それでもASDを抱える子どもたちと家族が、長く・総合的に支えられる環境はまだ不十分です。欧米諸国ではすでに音楽療法や芸術活動が“社会的な治療モダリティ”として根づいていますが、日本では教育・療育・医療のシステムの中でさらに広げていく必要があります。
SUGAの支援は、単なる資金提供にとどまらず、ASD支援に音楽や感性という“文化的なアプローチ”を織り込む新しい実践モデルだと言えるでしょう。
私たちができることは?
- 音楽やアートを通じた支援について学び、周囲に広める
- ASD支援団体や専門施設の存在を知り、活動に共感・協力する
- 子どもたちや保護者にそっと寄り添う“理解者”であること
娯楽としての音楽ではなく、人の心をつなぐ“力”としての音楽。SUGAの行動は、その可能性を社会に示した象徴的な出来事といえるでしょう。
🎯まとめ:音楽×支援=社会の未来をつくるチカラ
SUGAの寄付と音楽療法支援は、ASD支援の可能性を社会に強く提示しました。これからの時代、医療・教育・芸術・コミュニティが連携することで、誰もが支えられ、自己らしく生きる社会が実現できる──そんな未来へのヒントが、この取り組みには詰まっているように感じます。
私たち一人ひとりがこの事例を受け止め、自分にできることを考え、小さな一歩を踏み出すことで、「理解されない」を減らし、「音を通じてつながれる場」を増やせるかもしれません。